当院の健康診断について
当院では、健康診断を実施しています。
個人の健康診断だけでなく、横浜市の特定健康診査や健康診査、がん検診も受け付けています。
受診をご希望の方は、受付にてご相談ください。必要があれば、連携病院のご紹介もさせていただきます。
- 横浜市特定健康診査 (40〜74歳の方が対象)
- 横浜市健康診査 (75歳以上の方が対象)
- 横浜市がん検診
- 個人健康診断 (就職等で必要な方)
横浜市特定健康診査・健康診査・がん検診について、詳しくは、以下より横浜市のホームページをご確認ください。
健康診断はなぜ必要?
以下、3つの理由があると考えています。定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
- 病気の早期発見・早期治療のため
- 病気の予防のため
健診で病気になりそうな傾向をキャッチできれば、生活習慣の改善により予防に取り組めます。 - 健康増進に役立てるため
健診で健康状態を把握できたら、あなたに適した運動や食事を生活に取り入れて、積極的に健康づくりに励んでください。
健康診断結果の見方・活かし方
基本的な検査項目の数値の見方と、結果の改善につながる生活習慣の改善方法についてご紹介します。
身体測定
身体測定の結果で、もっとも重要なのが腹囲とBMIです。
肥満は、糖尿病・高血圧・高脂血症・心臓病・脂肪肝・痛風など、様々な生活習慣病の原因となります。これらの病気をもつ人は、減量をすることで症状が改善することもあります。
- 腹囲
内臓脂肪の蓄積の目安になります。過剰に蓄積すると、体重が適正でも糖尿病や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こしやすくなります。 - BMI
身長と体重のバランスを見るものです。
肥満度(BMI)の出し方:BMI=(体重kg)÷(身長m)÷(身長m)
腹囲 | 基準値 |
---|---|
男性 | 85cm未満 |
女性 | 90cm未満 |
BMI | 痩せ | 標準 | 肥満 |
---|---|---|---|
基準値 | 18.5未満 | 18.5~24.9 | 25.0以上 |
肥満度の改善
食生活の見直し
摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように食事量を減らしましょう。海藻類や大豆製品、野菜などカロリーの低い食品を多く取り入れて、満腹感を得てください。
POINT
- 三食バランスよく食べる
- よく噛み、時間をかけて食べる
- 間食はしない
- お酒は控える
- 外食時は分量を自分で加減する
運動
食生活の改善と合わせて、運動する習慣をつけましょう。効率よくエネルギーを消費できる有酸素運動がオススメです。
100kcalを消費する運動量の目安
- 水泳:
- 約10分
- 縄跳び:
- 約15分
- ジョギング:
- 約20分
- サイクリング:
- 約30分
- 早歩き:
- 約30分
100Kcalは、ごはん茶碗約1/2強です。
運動のカロリー消費量には、個人差があります。
血圧
健康のバロメーターとして欠かせないのが血圧です。
血圧 | 基準値 |
---|---|
最高血圧 | 130mmHg未満 |
最低血圧 | 85mmHg未満 |
血圧とは、心臓から押し出された血液が血管壁に与える圧力のことを言います。高血圧の状態を放置しておくと、動脈硬化を招きやすくなり、やがて脳卒中、心筋梗塞などの合併症を引き起こします。
高血圧の改善
高血圧の原因は、加齢や遺伝も関連しますが、生活習慣の影響も明らかです。
塩分の摂り過ぎ、飲酒、喫煙、肥満、ストレス、運動不足、睡眠不足など、高血圧につながる原因を取り除くことが大切です。
減塩
1日の塩分摂取目標量は、男性8.0g未満、女性7.0g未満です。(2015年4月、厚生労働省) 少しずつでも塩分を減らせるように心がけましょう。
POINT
- つけものは一人前ずつ小皿に盛る
- ラーメン・蕎麦・うどんの汁は残す
- インスタント食品は控える
- 醤油はかけるより、つける
- 酢や出汁、香味野菜・香辛料などで塩味不足を補う
脂質代謝検査
血液中に含まれる脂肪の量を測定して、動脈硬化や脂肪肝などの原因となる高脂血症を調べる検査です。この検査では、以下の3つの値を調べます。
- 中性脂肪
主にエネルギーにとして利用され、余った分は脂肪として体内に蓄積されます。数値が高いと動脈硬化を進行させます。直前の食事に影響されることがあります。 - HDLコレステロール
善玉コレステロールとも呼ばれ、動脈硬化の進行をおさえる働きがあります。血液中の悪玉コレステロールを回収します。 - LDLコレステロール
悪玉コレステロールとも呼ばれ、数値が高い場合、血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性を高めます。
検査項目 | 基準値 |
---|---|
中性脂肪 | 150mg/dl未満 |
HDLコレステロール | 40mg/dl以上 |
LDLコレステロール | 120mg/dl未満 |
コレステロール・中性脂肪の改善
- お酒・お菓子・果物に多く含まれる糖類の摂り過ぎに注意しましょう。
- コレステロールを多く含む食品を摂り過ぎないようにしましょう。
例)鶏レバー、鶏卵(黄身)、うなぎ、たらこ、マヨネーズ、バター - 毎日できるだけ運動しましょう。1日の歩数を増やすことから始めましょう。
糖代謝検査
糖尿病は、初期に自覚症状がないため、他の病気の診察で偶然見つかることも多くあります。発病してしまうと、生涯付き合わないといけない病気なので、予防が大切です。
この検査では、以下の3つの値を調べます。
- 尿糖
血液中の含まれる糖が尿中に漏れ出ている場合は、糖尿病などが疑われます。 - 空腹時血糖
血液中のブドウ糖のことで、エネルギー源として適切に全身に利用されます。血糖値が高いときには糖尿病などが疑われます。 - ヘモグロビンA1c(HbA1c)
過去1〜2カ月の血糖の平均的な状態を反映するため、血糖値のコントロールの状態がわかります。糖尿病が疑われたときの検査として有効です。
検査項目 | 基準値 |
---|---|
尿糖 | 陰性(-) |
空腹時血糖 | 100mg/dl未満 |
ヘモグロビンA1c(HbA1c) | 5.2%未満 |
糖尿病診断基準
糖尿病の予防
- 肥満の方は、減量を心がけましょう。
- 様々な栄養素をバランスよく取り入れ、食べ過ぎないようにしましょう。
- 節酒・禁酒を心がけましょう。
- 自分にあった運動を、無理のない範囲で週3日・10分以上継続しましょう。
(運動は、インスリンのはたらきを高め、血糖値を下げる効果があります。)
肝機能検査
肝臓病全体としては、ウィルス性肝炎が多いですが、健康診断で発見される肝臓病の多くは、肥満やお酒の飲み過ぎによる脂肪肝やアルコール性肝障害です。
- AST(GOT)/ALT(GPT)
身体の様々な臓器の細胞の中にある酵素で、特にALT(GPT)は肝細胞の変性や壊死に敏感に反応します。数値が高い場合は急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝などが疑われます。 - γ-GT(γ-GTP)
アルコールに敏感に反応し、肝臓や胆道の病気があると数値が高くなります。アルコール性肝障害、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害発見の指標となります。 - 尿蛋白
血液中にある蛋白が尿中に出てくるもので、異常がない場合でも一時的に陽性が出るときがあります。数回検査しても強陽性の場合、胃炎などの疾患が考えられます。
検査項目 | 基準値 |
---|---|
AST(GOT) | 31U/l未満 |
AST(GOT) | 31U/l未満 |
γ-GT(γ-GTP) | 51U/l未満 |
γ-GTPが高いと言われたら
γ-GTPは、肝臓・胆管の病気などで高くなります。γ-GTPだけが高い場合はほとんどがお酒の飲み過ぎが原因です。しかし肝臓の病気は、他にもたくさんあります。そこで、肝細胞が破壊されると血液中に増加するGOT・GPT・血液中の蛋白質の量を示す、血清総蛋白を検査することで、肝臓の異常を調べます。
ウィルス性肝炎の診断には、別の検査が必要です。
B型・C型は、感染に気付かないまま慢性肝炎に移行している可能性があります。健診で肝臓に異常があった方、過去に手術や輸血を受けた方は、検査することをオススメします。
腎臓・尿路系の検査
腎臓は体内の不要物を尿として排泄したり尿から必要な物質を再吸収する働きをしています。血液中に含まれるクレアチニンの量を測定することによって腎臓の働きが正常かどうか調べます。
検査項目 | 基準値 |
---|---|
尿蛋白 | 陰性(-) |
尿に蛋白や潜血(微量の血液)が混じっていたら
すぐに腎臓の病気というわけではありません。健康な人でも蛋白や潜血が出ることがあります。
再検査をして、その結果、尿蛋白が出ていたら腎臓の障害が疑われます。尿潜血がみられたら腎臓か尿路のどこかで出血していることを意味します。
腎臓病はなかなか外に症状が出にくい病気です。自覚症状があったりクレアチニン値が高いようなら、それはかなり病気が進行している証拠です。
(尿路結石の排石時や腎盂腎炎、急性膀胱炎などでは痛みや下腹部の不快感などの症状があります)
尿酸代謝検査
血液中の尿酸の量を調べる検査です。
尿酸は体の新陳代謝の過程でできる老廃物ですが、ふつうは便や尿から排泄されるので血液中の尿酸の量は一定で保たれています。ところがこの排泄のシステムがうまくいかなくなったり過剰に作られたりして血液中の尿酸の量が多くなると痛風などの原因となります。
血清尿酸値 | 基準値 |
---|---|
男性 | 7.5mg/dl以下 |
女性 | 5.8mg/dl以下 |
貧血検査
血液中の中には、ヘモグロビンという血色素が含まれており、酸素を運ぶ大切な役割があります。これが少ない状態を貧血といいます。
血色素量(ヘモグロビン値) | 基準値 |
---|---|
男性 | 13.0g/dl以上 |
女性 | 12.0g/dl以上 |
貧血気味と言われたら
貧血で最も多いのは赤血球の材料となる鉄分不足で起こる「鉄欠乏症貧血」です。
一般に女性は月経などの関係でなりやすいのですが、男性の場合は、まず、胃潰瘍や痔などの消化管出血を考えます。その他にも腎臓病・子宮筋腫など他の病気が原因で貧血になっていることがありますので貧血ぎみと言われたら、まず、貧血の種類・原因をしっかり調べてください。